横浜市立大学 名誉教授 理学博士 (亡)都筑卓司記念室

 

恩師である(故)都筑卓司氏は元横浜市立大学名誉教授(物理学博士)です。惜しくも病にて2002年7月に逝去されました。

1970年頃から物理学に関する約40冊以上の数々の名著を残され、テレビにもご出演され、アインシュタインの相対性理論を分かりやすく一般に広めたことでは日本の第一人者といわれております。

中でも「マックスウェルの悪魔」「不確定性原理」「四次元の世界」(講談社ブルーバックス)は現在でも復刻版が出され、名著として読み継がれています。また、現在では著作が韓国語や中国語などでも翻訳されており、たぶん日本で全部見られるのは当記念室だけでしょう。

 

北海道新聞記事 2006/08/03

 

「物理学の息吹」触れて 故都筑教授記念室、札幌に 【写真】  2006/08/03 08:10


 ベストセラー「四次元の世界」をはじめ、一般向けの物理学解説書や科学エッセーで親しまれた故都筑卓司・横浜市立大名誉教授の教え子が、札幌市内の自宅に恩師の記念室を開いた。蔵書や研究ノートのほか、旅行好きだった故人の旅のコレクションも展示。「学者の息遣いと物理の魅力を感じて」と話している。
 都筑さんは一九二八年、浜松市生まれ。東京文理科大(現筑波大)でノーベル賞物理学者の朝永振一郎氏に師事。相対性理論などを数式を使わずに説く科学読み物を多数執筆、講談社ブルーバックス版は累計三百万部を超え、読み継がれている。
 教え子は東区のパソコンコンサルタント村上博行さん(51)。遠軽高校時代に都筑さんの著作に魅せられ、横浜市立大へ。「ボランティア活動に没頭し、不肖の生徒でした」。卒業から二十年以上たった二○○二年秋、交通事故で勤めを辞めたのを機に無性に恩師に会いたくなり、連絡を取ろうとして七月に死去したのを知った。遺族を訪ねた際、書斎を処分すると聞いて記念室開設を申し出た。
 記念室はアパートの六畳間。遺品の机や書棚を並べ、膨大な資料を三年がかりで整理して今春、開館した。「南極で犬が北を向いたら尾は?」など物理クイズのアイデアが書かれた手帳などのほか、旅先で集めた二百五十本ものネクタイや切手、紙幣も展示する。
 「『巨人の星』の大リーグボール2号で量子力学を説く先生は、物理学の語り部だった」という村上さんは、若者の物理離れを惜しむ。「物理は物事の根本を考える学問。先生の息吹に触れてぜひ、著書の一冊も開いて」と願っている。

 

 朝日新聞記事 

 

■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
 
都筑 卓司
 
1928年浜松市生まれ。海軍兵学校、旧制一高から東京文理科大学物理学科へとすすみ、同大学院では統計力学を専攻。物理学の全分野にわたって幅広い知識をもつ。横浜市立大学で教鞭をとり、同大学名誉教授。2002年7月惜しくも逝去された。
 
■都筑卓司(つづき・たくじ=横浜市立大名誉教授・物理学)
 
「タイムマシンの話」「不確定性原理」など講談社ブルーバックスから多くの科学入門書を出している。
「四次元の世界」(69年)は55万部のベストセラー。
(朝日新聞8月10日付朝刊より。)、

 

※ 現在、断捨離を終え、恩師のご本と論文などだけ残し、「ミニ都筑卓司記念室」となっています。